令和8年度「小規模事業者持続化補助金<創業型>第4回公募」のスケジュールが公開されました。
本補助金は、創業後1年以内の小規模事業者を対象に、販路開拓や業務効率化にかかる経費を支援する制度です。
補助上限額は200万円、インボイス特例を活用すると最大250万円まで補助を受けることができます。
一方で、
- 特定創業支援等事業の要件を満たしていない
- ホームページ制作だけで申請しようとしている
- 補助対象外経費を計上している
- 営業開始時期を誤っている
などの理由で、不採択や不交付になるケースも少なくありません。
特に創業型は、一般型と比較して対象者要件が厳しく、「創業1年以内」という条件に加え、「特定創業支援等事業」の証明書も必要になります。
本記事では、公募要領をもとに、第4回公募のスケジュールから対象者、対象経費、審査ポイント、実務上の落とし穴まで、経営者目線でわかりやすく解説します。
制度概要|創業後1年以内の事業者向け販路開拓支援制度
小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業後1年以内の小規模事業者等を重点的に支援する制度です。
産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施する「特定創業支援等事業」の支援を受けた事業者が対象となります。
補助金の目的は、単なる設備導入ではありません。
経営計画に基づいて、
- 新規顧客の獲得
- 新市場への参入
- 商品・サービスの改良
- 生産性向上
を実現し、持続的な事業成長につなげることが求められています。
つまり審査員が見ているのは、
「何を買うか」ではなく「その投資でどう売上を伸ばすか」
です。
補助内容|最大250万円の補助を受けられる
第4回公募の補助内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 2/3 |
| 補助上限額 | 200万円 |
| インボイス特例 | +50万円 |
| 最大補助額 | 250万円 |
例えば300万円の販路開拓事業を実施する場合、
- 総事業費:300万円
- 補助金:200万円
- 自己負担:100万円
となります。
創業期の事業者にとって、100万円の自己負担で300万円規模の投資ができるのは大きなメリットです。
補助上限額の上乗せ規定|インボイス特例は見逃せない
本補助金の補助率は一律2/3です。
インボイス特例を利用しても補助率は変わりません。
変わるのは補助上限額です。
| 区分 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 通常申請 | 2/3 | 200万円 |
| インボイス特例 | 2/3 | 250万円 |
対象となるのは、
- 2023年10月1日以降に創業した事業者
- 適格請求書発行事業者として登録した事業者
です。
実務上の注意点
インボイス特例を希望して申請した場合、補助事業終了時点で要件を満たしていないと、上乗せ分だけでなく補助金全体(200万円分を含む全額)が交付対象外(不交付)となります。
「50万円だけ対象外になる」と誤解している方もいますが、それは誤りです。
インボイス特例を利用する場合は、登録手続きまで含めて計画的に進めましょう。
対象地域|全国の小規模事業者が対象
本補助金は全国対象です。
- 東京都
- 神奈川県
- 愛知県
- 大阪府
- 福岡県
などの都市部はもちろん、地方都市や過疎地域の事業者も対象になります。
ただし申請には、
「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」
が必要です。
創業セミナーが年数回しか開催されない自治体もあるため、創業を検討している方は早めに確認しておきましょう。
対象者|創業1年以内でも申請できないケースがある
本補助金の対象となる「小規模事業者」は、業種ごとに従業員数要件が定められています。
| 業種 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
また、以下の両方を満たす必要があります。
- 開業日(法人設立日)
- 特定創業支援等事業による支援を受けた日
これらが公募締切日から起算して過去1年以内であることが要件です。
実務上よくある勘違い
「常時使用する従業員」には、会社役員や同居親族従業員は含まれません。
また、個人事業から法人化した場合は、法人設立日ではなく個人事業の開業日が基準となるケースもあります。
対象要件の判断を誤ると申請自体が無効になるため、事前確認は必須です。
対象経費|ホームページ制作だけでは申請できない
対象経費は次の8区分です。
- 機械装置等費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出展費
- 旅費
- 新商品開発費
- 借料
- 委託・外注費
2.広報費
創業事業者から最も相談が多い経費のひとつです。
対象例
✅ Google広告
✅ Instagram広告
✅ Facebook広告
✅ SNS広告運用代行
✅ チラシ制作
✅ ポスター制作
✅ プレスリリース配信
✅ デジタルサイネージ広告
ただし、
補助金申請額の上限は30万円です。
さらに、
広報費だけでの申請はできません。
必ず他の経費区分と組み合わせる必要があります。
実務ポイント
広告だけでは販路開拓のストーリーが弱くなりがちです。
ホームページ制作や設備導入などと組み合わせて、
「広告 → 問い合わせ → 成約」
までの流れを示しましょう。
3.ウェブサイト関連費
こちらも創業者に人気の高い経費です。
対象例
✅ ホームページ制作
✅ ECサイト構築
✅ SEO対策
✅ 顧客管理システム
✅ 予約システム
✅ 商品撮影
✅ 動画制作
こちらも、
補助金申請額の上限は30万円です。
さらに、
ウェブサイト関連費だけでの申請はできません。
実務ポイント
不採択になりやすい例
ホームページを作ります
採択されやすい例
ホームページ制作
SEO対策
SNS広告
Googleビジネスプロフィール強化
顧客管理システム導入
このように販路開拓全体の設計を示すことが重要です。
申請方法と注意点
申請は電子申請のみです。
郵送での申請は受け付けていません。
また、
GビズIDプライム
の取得が必要です。
取得に時間がかかることがあるため、締切直前の取得では間に合わない可能性があります。
さらに、商工会・商工会議所が発行する
事業支援計画書(様式4)
も必要になります。
申請スケジュール
第4回公募のスケジュールは以下のとおりです。
| 内容 | 日程 |
|---|---|
| 公募要領公開 | 2026年5月27日 |
| 申請受付開始 | 2026年11月5日 |
| 事業支援計画書発行受付締切 | 2026年12月4日 |
| 申請締切 | 2026年12月15日 17:00 |
| 採択発表 | 2027年3月頃 |
締切は17時です。
毎回、締切直前の電子申請トラブルが発生しています。
余裕を持った申請をおすすめします。
審査基準|審査員は何を見ているのか
採択率を高めるためには、審査基準を理解することが重要です。
①自社分析の妥当性
- 自社の強み
- 弱み
- 競合状況
- 市場環境
を客観的に分析できているかが評価されます。
②経営方針・目標の適切性
市場ニーズを理解し、実現可能な経営目標を設定しているかが重要です。
・目標と今後のプランは、自社の強みや弱みを踏まえているか
・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)や顧客ニーズを捉え売上高・売上総利益の増加を目指せるか
③補助事業計画の有効性
・特定支援等事業にて策定された計画内容を踏まえているか
・補助事業計画は具体的であり、今後の方針や目標を達成させ、実現可能性が高いか
例えば、
SEO対策
↓
アクセス数増加
↓
問い合わせ増加
↓
契約数増加
↓
売上増加
というストーリーが必要です。
④積算の透明性・適切性
見積金額に根拠があるかも評価されます。
「なぜその金額が必要なのか」を説明できるようにしましょう。
活用事例|創業期におすすめの補助金活用法
整体院の開業
- ホームページ制作
- SEO対策
- Google広告
- 看板設置
地域検索からの集客を強化し、新規予約獲得を目指します。
製造業の創業
- 生産設備導入
- 展示会出展
- 会社案内制作
販路開拓と生産性向上を同時に実現する計画です。
ペナルティ・落とし穴
実務上よくある失敗です⚠️
❌ 交付決定前に発注する
❌ パソコン・タブレット・自動車を購入する
❌ ホームページだけで申請する
❌ 他の国の補助金と重複受給する
❌ GビズID取得が間に合わない
❌ 特定創業支援等事業の証明書を取得していない
❌ 補助事業終了までに実際の営業(商品・サービス提供)を開始していない
創業型は、店舗オープン準備中やECサイト構築中など、まだ売上が発生していない段階でも申請できます。
しかし、補助事業終了までに商品またはサービスの提供を開始し、事業活動を開始しなければ補助金は交付されません。
さらに、補助金交付後に営業実態がないことが判明した場合は、交付決定取消しの対象になります。
「採択されたから安心」ではなく、「実際に営業を開始すること」までが補助事業です。
まとめ|申請前チェックリスト
□ 創業後1年以内である
□ 特定創業支援等事業の証明書を取得している
□ GビズIDプライムを取得している
□ 販路開拓計画を作成している
□ 売上増加の根拠を説明できる
□ 補助対象経費を理解している
□ 見積を取得している
□ 交付決定前に発注しない
□ 補助事業期間内に営業開始できる
□ 自己資金を準備している
結論|創業期の最大250万円を取りこぼさないために
小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業後1年以内の事業者にとって非常に活用価値の高い補助金です。
しかし、
- 特定創業支援等事業
- 開業日
- 営業開始時期
- 経営計画
という4つのポイントを正しく理解していなければ、不採択や不交付になる可能性があります。
採択される事業者は、補助金制度を知っている人ではありません。
「その投資によって、なぜ売上が増えるのか」を数字で説明できる人です。
創業型は要件確認が複雑なため、自社が対象になるか不安な場合は、商工会・商工会議所や専門家へ早めに相談することをおすすめします。
小規模事業者持続化補助金<創業型>第4回
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