夏の猛暑が“経営リスク”になっています。
特に建設業、物流業、警備業、工場、倉庫業など、暑熱環境で作業を行う事業者にとって、熱中症対策は「福利厚生」ではありません。
従業員の命を守り、離職を防ぎ、採用力を維持するための“経営課題”です。
さらに令和7年6月1日からは、改正労働安全衛生規則が施行され、企業には熱中症対策の「体制整備・手順作成・関係者への周知」が求められます。
その中で注目されているのが、墨田区の
「人材確保・定着支援補助金(熱中症対策)」です。
本制度では、
- 就業規則の整備
- 熱中症予防対策
をセットで実施することで、最大40万円の補助が受けられます。
⚠️なお、この補助金は申請前に「すみだビジネスサポートセンター」で相談し、事業計画書を作成する必要があります。
この記事では、公募要領ベースで、
- 補助内容
- 対象経費
- 審査ポイント
- 実務上の注意点
まで、経営者向けにわかりやすく解説します😊
制度概要|墨田区「熱中症対策補助金」とは?
墨田区では、中小企業の人材確保・定着を支援するため、暑熱環境で働く従業員向けの熱中症対策費用を補助しています。
この制度の特徴は、
「就業規則整備」と「熱中症対策」をセットで行う必要がある
ことです。
つまり、
- 空調服だけ買う
- スポットクーラーだけ設置する
だけでは不十分です。
会社として、
- どう熱中症を防ぐのか
- 緊急時にどう対応するのか
まで制度化する必要があります。
補助内容|補助率・上限額
① 就業規則の整備
補助対象
- 就業規則の作成
- 見直し
- 確認
補助率
1/2
上限額
10万円
対象経費
- 社労士費用
- 弁護士相談費用
など。
② 熱中症予防対策
補助率
2/3
上限額
30万円
対象経費
- スポットクーラー
- 大型送風機
- 屋根遮熱塗装
- ファン付き作業服
- 遮熱ヘルメット
などです。
補助金額
最大40万円
です。
対象地域
対象地域は、
「東京都墨田区」
です。
ただし、
- 墨田区内に1年以上主たる事業所がある
- 区内事業所で熱中症対策を行う
必要があります。
対象事業者|誰が申請できる?
主な要件は以下です。
- 中小企業者である
- 墨田区内で1年以上事業を行っている
- 従業員を1名以上常時雇用している
- 税金滞納がない
- 熱中症対策の体制整備等を行っているなど。
実務で重要|WBGT管理が審査のポイント
今回の制度で重要なのが、
WBGT(暑さ指数)
です。
対象となるのは、
「WBGT28度以上 または 気温31度以上」の環境下で、
「連続1時間以上 または 1日4時間超」
の作業が見込まれるケースです。
例えば、
- 屋外建設現場
- 工場
- 倉庫
- 配送作業
- 警備業務などが該当します。
なぜ就業規則整備が必要なのか?
ここがこの補助金最大の特徴です。
令和7年6月からの法改正では、
- 体制整備
- 手順作成
- 関係者への周知
が企業に義務付けられます。
つまり、
「設備を導入した」
だけでは不十分です。
例えば、
- WBGT測定ルール
- 休憩基準
- 水分補給
- 緊急時対応まで決める必要があります。
就業規則に盛り込みたい内容|実務ではここを整備する
実際の審査では、
「設備購入」
よりも、
「運用体制」
が重視されます。
そのため、就業規則や社内ルールには、以下を盛り込むと効果的です。
熱中症対策の責任者を決める
- 現場責任者
- WBGT測定担当
- 緊急連絡担当
WBGT基準と作業停止ルールを作る
- WBGT28度以上で注意喚起
- WBGT31度以上で作業制限
- 強制休憩ルール
水分・塩分補給ルールを定める
- 定期補給
- 体調申告
- 朝礼時確認
緊急時対応を明確化する
- 救急車要請
- 搬送フロー
- 連絡体制
従業員教育を実施する
- 熱中症研修
- 初期症状共有
- 管理者教育
厚労省でも、
「見つける → 判断する → 対処する」
体制づくりを重視しています。
活用事例①|建設業
課題
屋外作業が多く、毎年体調不良者が発生。
導入内容
- WBGT測定機器
- 空調服
- 遮熱ヘルメット
- 就業規則改定
効果
- 作業停止基準が明確化
- 若手定着率改善
- 労災リスク低減
活用事例②|物流倉庫
課題
倉庫内温度上昇による離職増加。
導入内容
- スポットクーラー
- 大型送風機
- 休憩ルール整備
効果
- 欠勤減少
- 離職率低下
- 作業効率改善
対象外経費|ここで失敗が多い
以下は対象外です。
- エアコン購入
- エアコン工事
- タブレット
- 家庭用家電
- ネッククーラー
- ハンディファン
- 冷感タオル
つまり、
「業務専用性」が重要になります。
申請スケジュール
申請期間
令和8年4月1日(水)〜12月21日(月)(必着)
※予算に達し次第終了です。
実績報告期限
令和9年2月26日(金)まで
申請方法|事前確認が必要
申請前に、
「すみだビジネスサポートセンター」
で事前確認が必要です。
ここで、
- 事業計画書作成
- 対象経費確認
- 実施内容整理
を行います。
このステップを飛ばすと、対象外になるリスクがあります。
審査基準|審査員はここを見る
実務上は以下が重要です。
① 必要性
本当に暑熱環境なのか。
② 実効性
設備だけでなく運用ルールがあるか。
③ 継続性
一時対応ではなく定着施策か。
④ 人材定着効果
採用・離職防止につながるか。
落とし穴・ペナルティ
特に多い失敗は以下です。
⚠️交付決定前購入
→ 全額対象外
⚠️就業規則未整備
→ 不採択リスク
⚠️汎用品購入
→ 対象外
⚠️実績報告不足
→ 支払遅延
チェックリスト✅
□ 墨田区内で1年以上事業をしている
□ 従業員が1名以上いる
□ WBGT管理対象作業がある
□ 就業規則整備を行う
□ 交付決定前に契約しない
□ すみだビジネスサポートセンターへ相談済
最後に|熱中症対策は“コスト”ではなく経営投資
2025年以降、熱中症対策は企業責任として強く求められます。
今回の補助金は、
「設備導入支援」
ではありません。
本質は、
「会社の安全管理体制を作る支援」
です。
だからこそ、
- 就業規則
- 教育
- 運用ルール
- 緊急対応
まで整備する企業ほど、審査でも強いです。
熱中症対策は、“夏対策”ではありません。
これからの採用・定着戦略そのものです。
墨田区人材確保・定着支援補助(熱中症対策)
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